「恋人は絵を描くことが好きだった。」
同性愛者の「私」は、売れない絵描きの「彼」と寂れた集合住宅で同棲していた。
彼の代わりに仕事漬けになるが、それでも彼らなりに幸せな日々を送っていた。
しかし、「私」が仕事へ行っている間に、「彼」のいた部屋が血の海と化していた。
殺人事件があったのだ。
大切な人を失ったショックで、「私」は死んだように眠り、部屋をうろついて、「彼」に電話をかけ、日記を書くことを繰り返すようになる。
だが、それを繰り返すうちに、少しずつ「私」の気持ちは変化していった。